
株やFXトレードを行う人であればよく知っているかもしれませんが、グランビルの法則という株式投資理論があります。FXやバイナリーオプションでも活用される理論、グランビルの法則は、売り買いのタイミングを移動平均線とローソク足の位置から教えてくれるものです。海外FXの初心者だと知らないという人も多いかもしれませんが、FX中上級者であれば、グランビルの法則はほとんどの人が認識している理論なので、ぜひ知っておけば非常に便利です。
この記事では、海外FXで活用してみたい株式投資理論「グランビルの法則」について詳しく見ていきたいと思います。FXトレードに新たな発見を見出したい方、売買タイミングがいまいち把握しきれない方、今のトレード手法に行き詰まりを感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
グランビルの法則とは?
グランビルの法則とは、アメリカの投資分析家ジョセフ・グランビルが考案した法則で、相場における「買い」と「売り」のパターンを8つに分けて売買ポイントを見出したものです。この法則が誕生したのは1960年代頃ですが、現在も利用できる法則として世界的にも広く知られていますす。株やFXバイナリーオプションでも活用できるため、金融投資には欠かせない理論として君臨しています。ちなみにグランビルは、この後出てくる「ゴールデンクロス」や「デッドクロス」を考案した人物としても良く知られており、テクニカル分析の第一人者とも言われる存在です。
チャートの分析において、重要となるものとして移動平均線は欠かせませんが、グランビルの法則で利用するものとしては「ローソク足」と「移動平均線」です。
まずローソク足から見ていきましょう。ローソク足は知っている方も多いと思いますが、チャートを見る際に一目で為替レートの動向がわかる指標です。ローソクに似ていることからローソク足と言われています。ローソク足だけで初値・高値・安値・終値を表しており、視覚的に相場を見ることができるのがローソク足の大きな特徴となります。
一方の移動平均線とは、一定期間の値動きの平均を線で結び、値動きがどうなっていくかを示す指標です。移動平均線を見ることで相場の方向性がわかります。
グランビルの法則は、4つの買いパターンと4つの売りパターンの計8つで構成されていますが、このローソク足と移動平均線が重要となります。グランビルの法則で示された8つの法則を駆使してトレードを行うことで、より適切なタイミングでエントリ―や決済が可能となります。
グランビルは移動平均線から以下の8つの法則を発見しました。
買いシグナル
(1)新規の買いシグナル(ゴールデンクロス)
移動平均線が水平または上昇中にてローソク足が上向きにクロスしている
(2)押し目の買いシグナル
移動平均線が上昇中にて、ローソク足が下向きクロス後、再度上向きにクロスしている(押し目とは一時的な相場の低下を言う)
(3)買い増しのシグナル
移動平均線が上昇中にて、ローソク足が下向きにクロスせずに再上昇している
(4)短期の買いシグナル
移動平均線が下降中にて、下側に大きく乖離している。逆張りと呼ばれる
売りシグナル
売りシグナルは買いとは全く逆になります。
(5)新規の売りシグナル(デッドクロス)
移動平均線が水平又は下降中にてローソク足が下抜けしている
(6)戻り売りのシグナル
移動平均線が下降中で、ローソク足が一時的に上抜けした後、再度下降している
(7)売り増しのシグナル
移動平均線が下降中で、ローソク足が上抜けせずに再下降している
(8)短期の乖離買いシグナル
移動平均線が上昇中にて、ローソク足も上昇、乖離が発生している
海外FXでグランビルの法則を使う場合の移動平均線の期間・時間足
グランビルの法則で使う移動平均線の期間ですが、200日移動平均線が最も信頼できるとされています。これはグランビル自体が普段から200日移動平均線を使っていたようですので非常に実用性が高いです。200日移動平均線はFXトレーダーの中でも非常に活用されています。また最適な時間足ですが、これは日足を使ってみることをおすすめします。長い時間足はダマしも少なく結果が安定します。
グランビルの法則を使ったおすすめのパターン
グランビルの法則は8つのパターンがありますが、全てを使う必要はありません。また順番通りに出現するわけでもありません。ただし、順番通りに出やすいということであけです。トレンドの中で(3)が何度も出ることはあります。
ここで紹介したグランビルの法則で重要なのは、買いのシグナル(1)(2)(3)です。特に(2)押し目買いから注目してみるのが良いでしょう。(6)戻り売りも併せて注目のシグナルです。(1)は騙しもあるので注意しましょう。ちなみに(5)(6)(7)の売りのシグナルは買いの反対にすぎません。(4)と(8)は短期取引が基本のバイナリーオプションではあまり活用する機会がありません。
ここで紹介したグランビルの法則で重要なのは、買いのシグナル(1)(2)(3)です。特に(2)押し目買いから注目してみるのが良いでしょう。(6)戻り売りも併せて注目のシグナルです。(1)は騙しもあるので注意しましょう。ちなみに(5)(6)(7)の売りのシグナルは買いの反対にすぎません。(4)と(8)はあまり活用する機会がありません。
8つのシグナルが現れた時に、これが何を指しているのかがわかるようにならなければ、トレードの売り買いタイミングを見つけ出すことができません。
グランビルの法則以外の投資理論
グランビルの法則は投資理論の一つにすぎません。それ以外に数多くの投資理論は存在します。移動平均線やローソク足以外にもテクニカル分析は多数存在します。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドとは、アメリカの投資家ジョン・ボリンジャーが考案した、標準偏差・正規分布といった統計学を取り入れて作られたインジケーターで、移動平均線同様多くのトレーダーが利用しています。
このボリンジャーバンドですが、移動平均線+上下2本ずつとなる4本の標準偏差、合計5本線にて構成されています。
ボリンジャーバンドのσは値動きのバラつきの程度を示しています。1σ〜3σのバンドで表され、それぞれローソク足が収まる確率は統計学的に決まっています。
±2σの中に価格が収まる確率:95.45%
±3σの中に価格が収まる確率:99.73%
+2σを超えたら上昇し過ぎということで「売り」のサイン、-2σを超えたら下落し過ぎということで「買い」のサインと判断します。
一目均衡表
インジケーターは海外で開発されたものが多いのですが、その中で一目均衡表は、日本生まれのインジケーターです。
一目見れば相場状況がわかるという意味合いから名付けられています。この一目均衡表は非常に理論が複雑で、理解できる人は日本でも非常に少ないとされる指標です。
そんな一目均衡表の特徴ですが、先行スパンの2本の線の間を「雲」と呼んでいます。この雲は抵抗帯と見なされ、厚みがあればあるほど抜けるのが難しいものとなります。
転換線が基準線を上から下に抜く:売りのサイン
雲と遅行スパン(当日の終値を26日前にさかのぼって記録したもの)がクロスする:強いトレンド
見方自体は、ローソク足が雲より上にあれば上昇トレンドで、下にあれば下落トレンドであると言われます。
MACD
MACD(マックディー)は、「Moving Average Convergence Divergence」の略で、「移動平均収束拡散手法」と呼ばれます。移動平均線の応用テクニカルチャートで、短期移動平均線と、中長期の移動平均線の2本のラインを使用し相場を予測します。
基本となるMACD線とシグナル線の交差が売買タイミングとして利用されるもので、海外FX初心者であってもシグナルの見落としが少ないとされています。ラインがゼロラインより上であれば、相場は上昇傾向、下にあれば下降傾向と判断できます。
RSI
RSIとは「Relative Strength Index」の略で「相対力指数」と呼ばれるものです。相場の一定期間の値上がり幅と値下がり幅を利用し、どちらに勢いがあるかを示してくれるインジケーターとなっています。RSIは結果を0%〜100%の範囲で返してくれます。
20%~30%以下:売られ過ぎ=買いのサイン
50%付近:もみ合い=待ちのサイン
RSIの効果が発揮されるのはレンジ相場です。緩やかな上昇、緩やかな下落が起きている時に利用するのがベストです。その結果数値が70%以上、30%以下になった際にはすぐに売買を行う準備をする必要があります。
ストキャスティクス
最後に紹介するストキャスティクスですが、RSIに似た性質を持っており、「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を判断するインジケーターとされています。ストキャスティクス分析は「ファーストストキャスティクス」と「スローストキャスティクス」があります。ファーストストキャスティクスは、実際の相場の影響を受けるため素早い反応をしますが、ダマしにあう確率も高くなります。その一方スローストキャスティクスは動きが遅いものの、信頼性は高くなります。そのためFX初心者はスローストキャスティクスを使用するのが賢明です。